破産手続 債権者に弁護士が受任通知を出すとどんな効果があるの?

弁護士が債権者に対して受任通知を送付すると、まず債権者からの取り立てが停止することになります。
実際には完全に無くなるわけではないのですが、この通知は弁護士事務所が「本案件については当弁護士事務所が取り扱うことになったため、今後返済などについてはこちらに連絡をしていただきたい」といった旨を債権者に告知するものです。
債権者からすれば弁護士事務所に話を聞いた方が確実なことが教えてもらえるわけですから、わざわざ正しい答えが返ってくるかどうかわからない企業などに電話をするよりも、そういった弁護士事務所に連絡をした方が良いわけです。
従って、債権者からの取り立ての電話で精神的に、また肉体的に疲弊しているというような場合には、受任通知は非常に重要なものになると言えます。
ただこの受任通知にはひとつデメリットもあり、それが「破産を債権者に知られるのが早くなる」ということです。
個人の自己破産の場合はそもそも財産など手元に残っていないことが多いですから、知られた所でどうということはありません。
しかし企業の場合はそうではなく、破産を決定した企業であってもそこに財産が残っているということは少なくないでしょう。
受任通知の送付を行うと債権者に対して破産の可能性が極めて高いことを伝えることになりますから、結果として財産で弁済をしてもらおうとする企業の数を増やしてしまったり、その行動を激しくしてしまうことがあります。
破産手続きにおいて受任通知をいつ送付するかと言うのはかなりデリケートな問題ですから、担当弁護士としっかり話し合って決めることをおすすめします。