企業など法人に経営破綻のおそれがあるというとき、また、個人でも借金がふくらみ、何とか生活を立て直したいというとき、経営や生活の再建を目指す手段のひとつに民事再生があります。
裁判所への申立てによって、残っている債権、債務を整理し、一定期間での返済等など、計画的に債権が回収されていきます。そして、その手続きの過程で、共益債権というものが発生します。
これは、対象となっている債権本体とは別に、そのような手続きを進めていく上で発生するものですが、さまざまな手続きに必要な各種手数料などが挙げられます。具体的には、債権回収をするために発生する費用として、裁判費用に関するものや、債務者の財産整理にかかる費用などがそれにあたります。さらに人も動くことになりますので、調査委員や管財人、監督関係人などの報酬も含まれますが、それらが共益債権となります。
再生債権者の共同の利益のために、本体の債権そのものに付随して発生する債権ということです。
共益債権は対象となっている債権、債務とは別のものですので、その支払いについても別扱いとなります。それらの費用は債権額や個々のケースによって異なってきますので、その都度の支払いを請求することになります。もちろん、共益債権も債権には違いないので、債務者がその費用を支払わないときは、強制執行の対象となります。
ただし、共益債権のための強制執行は、民事再生自体に支障が出る恐れがあるようなときは、することができません。この共益債権に関する法律も民事再生法の中で定められています。